可もなく不可もなく

果てしなくネガティブならしい(仮)ですが前向きです。高卒、進路未定者の生活模様。

卒業式①

1、遡る

三年前の卒業式(中学)、人生で一番輝いている日にみせかける、そんな笑顔に見えた、目の前の席に座る元友人Mちゃんの今日の笑顔は作りものじゃなかった。退場の時、私のほうは一切目を向けなかったが、隣に座っていた同じく元友人であり幼馴染のSさんにとてもいい笑顔をみせていた。現在私はその二人とは絶縁状態にもかかわらず、それを見て心のどこかでほっとしている自分がいた、なぜ…?幼いころの楽しい思い出と小、中学時代の嫌な思い出が頭の中を駆け巡る。コーヒーを飲んだ時の感じに似ている、のどに残るなにか、服についたままのしみ、香り。退場の時の三分間が二時間の中で一番長かった。

 

2、日課日課でなくなる

午前7時30分、学校に到着。教室には私以外誰もいない。黒板には卒業おめでとうございますの文字といくつかのイラストが描かれていた。廊下側の一列目、後ろから二番目の席に座り一年の頃の担任に手紙を書いたあと、いつも通り校舎を巡回しにいく。これは、二年生の時からの日課だ、雨の日も風の日も雪の日も晴れの日も、朝から学校に行けた日はかかさずしていた、私のひそかな楽しみ。同じようにみえる景色でも日々どこかしら変わっている部分がある、特に、渡り廊下、靴を脱いでコンクリートの上に寝っころがって見る空は毎日違う顔をしている。今日の空はどんな顔をして自分たちを眺めているのだろうかと考えるとわくわくとした気持ちになれる。今日は、校舎を巡回した後、渡り廊下に別れを告げて、四階の絵画がたくさん並べてある隠れ家的な場所でぼーっと三年間、履き崩したうち履きを眺めた。私、何かを眺めるのが好きなのだろうか、気づけば近くにあるものを眺めている気がする、まあ、それはさておき、鼻歌を四響かせながらスキップして教室に戻ろうと振り返ったら、近くで一年生の女の子が勉強していた。自分もよくここで物語を書いたり本を読んだりしていたなと懐かしい気持ちになった、声をかけたら中学の時部活が同じだった子で少し話した。それから、教室に戻るとあの子が廊下でオブジェになっていたり、陽キャでおしゃれな女子が化粧をしていたり、卒あるにメッセージを書きあったり、思い出を語りあう輩がいたりとにぎやかだった、これらも今日でなくなるんだと思ったら少しだけ寂しい気持ちになった。

 

3、地元の話

PTAの会長さんの式辞は地元○○の発展に貢献できるグローバルな人材をはぐくむために~とか、地元○○のことを忘れず○○を誇りに思い郷土を愛して~という話で、気分が悪くなった。地元○○~という話題は今の私にとってコンプレックスと黒歴史でしかない、NGワード。誇り高い○○生、郷土を愛す○○民でなくてごめんなさい、無理です、今の私はあなた方の求めているような人とは程遠い者です。あと、内のもん、外のもん、とか差別的な用語使ってこないでください、頼む、と愚痴はここまで。地元を愛せるようになったら、コンプレックスではなくむしろ長所と思えるようになったら私最強かもしれ無いと思うほどの嫌悪感、憎悪がふつふつとわく。

 

4、生徒会長の言葉

反芻している最中。努力についての話だった。

 

5、最後のホームルーム

最後のホームルーム、机の外側、壁ぎわに保護者がずらっと並んでいる、これまた、最初で最後の光景。担任から一人ずつに卒業証書が手渡されていく、私の番、証書が渡された後に一人一言づつなにかいうことになっているのだがここで私はやらかした、何とは言わないが、そのことについて帰りに散々いろんな人にいじられた、空気を読んでいないと怒られたりもした。ホームルームが終わった後は、幼馴染と話したり、友人たちと写真を撮って、二年の時の担任と話して帰った。

 

6、花束

中学の頃お世話になり未だにプライベートで繋がりのある先生から家に花束が贈られていたらしく、家に帰ると祖母がそれを見ながら泣いていた。また、持ち帰った、生物班(部活)の後輩からもらったオレンジ色のデモルフォセカという花を見ても泣いていたから泣くことができない私は冷めているなと暗い気持ちになった。

 

7、卒業とは

卒業とは形だけのものだと思う。周りの雰囲気に流されて心も体も何もかも卒業できた気になっているだけだ。