可もなく不可もなく

果てしなくネガティブならしい(仮)ですが前向きです。高卒、進路未定者の生活模様。

うだるような暑さだ、夏みたいだ、季節は目まぐるしく気温の変動を繰り返しながら夏になろうとしている。首に絡まったイヤフォンの締めつけからくる息苦しさを感じながらカーテンを開けると入道雲が青空に立ち込めると形容されない初夏の曇り空、今日の予定がなにか分からない、何日かも分からない、だって、俺には季節も日付も天気も何もかも関係ないのだもの、引きこもり、社会的にはニート、最後にコンクリートの上を歩いたのはいつだろうか、およそ三日は同じ部屋着を着ている、その間お風呂にも入らずに排泄と食事の時以外は布団の上、読み投げされた漫画、ゲーム機、空になったペットボトル、汚い、汚いな、今日こそは風呂に入って着替えて髪型も整えて外に出よう、そう心に決めてから三時間、空が夜の空気を纏いはじめる午後四時半をまわる、軽くシャワーを浴び終えジーパンにTシャツというラフな格好になる、玄関、どれが自分の履いていた靴なのか分からない、足のサイズ25.5、それだけは覚えていた、サイズ確認、黒のスニーカーに足を入れる、ぴったり、ドアノブに手を伸ばしただけなのに動悸と目眩が襲ってくる。

 

ドアの向こう側は夜になっていた。スマホのライトで足元を照らしながら近くの公園に向かう。気づいたら俺は夏だった、風景。ナンバーガールの曲の一説が脳内に一瞬だけ響いた、星が見えない都会の夜空、飛行機の灯りが孤独を照らすようにチラついている。世界も、俺も、みんな地続きなような気がした、引きこもりの夜はこれからも明けない。