8月最終日
微睡みの中で手を伸ばして届かない影に涙を流して起きた。午前3時、いつの間にわたしは寝てしまったのだろうか。ジリジリと迫る焦燥感には覚えがある。こころがこれからの予定に追いついていない。つかの間の休息の中での優しさが残っていることだけが救いだ。思い出して何度でも優しい気持ちに嬉しい気持ちになる、会いたいなと思う。
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全員に優しさを持つこと、余裕を持って接するという事は早く諦めたほうがいいのに、どうして、誰にでも必死になろうとするんだろうか。そもそもだ、気が向かない相手との会話は避けよう、期待させて突き落とすのが一番よくない。大衆に向けて配信できて個人に電話ができないのは、既に向き合っている個人以外と個々に会話をすることから逃げたいからだ。
飛び入り参加もされたくない。
しれっと実の姉が来たので、尚更そう思う。
そのせいなのか、さっき、行きつけの古本屋が
空いていたのでそこで息継ぎをした。
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8月31日
朝から馴染みのフォロワーと電話で少し話して、心を穏やかにしてから、洗濯と掃除をした。そこから、ハローワークに行った。仕事もした。感傷に浸る時間も多くあった。
今日の気持ちは、ライブの日じゃないのに、葬式のような卒業式のような気持ちで、これは、きっと、まといちゃんがまといちゃんという人格から、居場所から個人に還る日だからなのかもしれないんだけど、8月31日は毎年、感慨深い。少しだけ死にたさがある、同時に、強く生きたいという気持ちがある。
夏の終わりへの憧憬は、今年もやはり2015年の故郷の海と自分自身、それに付随する人達と浜の香り、血の滲んだ洋服とアザだらけの体、痛い、痛いな、ずっと痛い、温かさがそこにあるのなら、夕日をうつしたいまの自分の瞳なんだろう。
祖母や祖父のことをおもいだす、遠くで父の声がする、顔は見えない、いつもそうだった、約束をしても守られることは殆どなかった、忙しいとの一点張り、父も忙しいとすぐに余裕が無くなるような人だったから、大丈夫だよって言っていた、寂しかった、帰りを待って気づいたら寝ていて、朝で、おはようといえば、仕事に出かけたと言われる、それが仕事の予定でないと気づいていても頑張ってねと言った、精一杯の強がりだった、寂しかった、そんなことを思い出せば、いつも、祖父がごめんねといって手を握ってくれていたことを思い出す。母親替わりだったあの人は、少しでも、わたしを寂しくさせないようにしてくれていた。お母さんって呼びたかった。最後まで、お母さんって呼べない自分のことをわがままだと不幸者だと思っていた。
故郷のことを思い出せばそういうことばかり思い出す。
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疎遠になってきている男や女からかかってくる連絡というのは、前の関係性にもよるけれど、一度近い関係にあったんだから、今だってわたしのこと見てよみたいなそういう態度で来られるから、困る。私にも非はあるとは思うけれど、いつまでも、過去に置き去りにされてはいない。更新されている感情に過去の上書きをされたくない。また、仕事の繋がりしかないのに、時々、下ネタを定期的に送ってくる人なんなんだ、気持ち悪い、出来たら必要な連絡だけにして欲しい、それ以上の関係や感情を持ち込まれるのは嫌いだ。嫌いだと言っているのに、その言葉でさえ、照れだとか言われるのはもっと困る。上司に言ったら言いがかりと言われるめんどいな。
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不安を抱いている事柄に対してのストレスがすごい。(知らない土地に行くこと、知らない人と仕事を遂行することなど) 追い込まれてくると、ごめんなさいという気持ちになってくる。友達からの連絡に出れないことが申し訳ないと思う。気を使わせているのがよく分かるから連絡をするのが億劫になる。
朝起きると辛い気持ちが込み上げてきて涙が止まらない。今週と来週を耐えれば仕事が一段落するから、そしたら、ゆっくり休めばいい。上手くなにかを誰かを救いといして憩いとしてということも、上手くできないから、つくづく人間に向いていないと思う、ただ、辛いよということがいつも出来ない。
こんな感じなので九月はライブに出る予定も見に行く予定もない。一つだけ予約しているライブがあるけれど、強制はしていない。
しんどい時にひとりでいるのは辛いけど、特別なにか声をかけて欲しいということがないから、どんどんひとりになっていく。ひとりぼっちの世界で寂しいと思う時間が自分の心の温度と同じで心地良い時もあるんだ、と言い聞かせているだけなんだろうか。そういう自分はあまり好きではないからこれ以上自分で自分に踏み込んで、しんどくなるのはやめよう。一回寝て、起きて考える。淡々と必要なことだけをしよう。
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フォロワーさんが個々にリプやDMで相手なりの言葉を素朴な言葉を送ってくれるのは不思議と嫌ではない、相手の気遣いと優しさが見えるから、素直に受け取ることができる気がする。
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自分が美しいと思う世界だけ切り取って
眠りにつこう、おやすみなさい。
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秋が恋しい、秋は夏より好きだ。