可もなく不可もなく

果てしなくネガティブならしい(仮)ですが前向きです。高卒、進路未定者の生活模様。

私のノートの切れ端は(2022)

 


目を瞑れば確かにあった記憶が、今じゃ着れなくなった服になったけど、今はいまで着れる服がちゃんとある、そのことをわたしは知っている。期待はきっと大人になりたくないだけの材料で、わたしはまだなんて言ってられないくらい視界だけ広くなって、背伸びした大人のような顔をしないと生きていけないような気がしている。わたしはわたしの寂しさや悲しみの母である、思い浮かべる言葉仕草ひとつだって全部じぶんの言葉。わたしはどこに向かうのだろうか、確かめるように、私のノートの切れ端は、日の当たらない湿気った雲が広がる島の空、ひとり部屋の隅でだれのあかりも知らず息をする。窓を開ければ出会う人の優しさが身に染みて、醜さが酷く汚いものにみえるだろうに。あんなにかわいい子どもも人間であることには変わらず、悲しくなってくる、生まれてから死ぬまで人間は子どもの姿で、形だけが変わって、表情はなにも変わらない、生まれた時の姿が美しければ満足に生きていけるのだろうか、それが醜かったらどう生きていけばいいのだろうか、窓を開ければ、わたしはわたしの指先で未来を描く、わたしのノートの切れ端はどこにでも繋がっている、窓は開かれた。