可もなく不可もなく

果てしなくネガティブならしい(仮)ですが前向きです。高卒、進路未定者の生活模様。

最近のこと(中山可穂、歌田真紀について)

電車に乗る前にお茶を買うためNEWDAYSに寄ったら、店員さんに、こういう日って蒸すよね、こっちもマスク本当は外したいんだけど仕事柄~みたいに話しかけられて、気が少し緩んだ。外の空気は水分を多く含んでいて重い。私はこれから帰宅する。

 

ドアを開ければ好きな人が待っている状態と、ひとり自分の家に帰宅するのは全然違う。ひとりになったばかりの静寂を想像するといてもたってもいられなくなる。それは、常に誰かの体温があるとそれを永遠と求めてしまうからだ。

 

その行為が現実で成し遂げられない時の対策としてわたしには読書があった。最近はずっと中山可穂の小説を読んでいる。私が今読んでいる本たちは全て、女性同士の恋愛を描いた作品で、一冊目、感情教育、二冊目、マラケシュ心中、三冊目、白い薔薇の淵まで。

 

感情教育は、生育環境が悪かった女性同士が運命の出会いを果たす話であるが、片方は結婚していて...という感じで、二冊目のマラケシュ心中も、片方は既婚者という設定で、しかも好きな人の結婚相手は自分の恩師である歌人という、茨のような恋模様を描いている。

 

三冊目の白い薔薇の淵までは、雨の降る深夜の書店で、平凡なOLが新人女性作家と出会い、恋に落ちてゆく物語。初めて知る性の愉悦に溺れてゆく二人の女は激しく求めあい、傷つけあいながらも、どうしても離れることができない修羅場を何度も繰り返すという感じで読んでいて少し辛かった。

 

どれも共通しているところは女性同士の恋愛ということ、片方は既婚者で相手への想いと旦那への後ろめたさに悩んでいるというところで、わたしにもその感覚に覚えがあったので、読んでいて胸が痛かった。

 

これは恋愛で悩んでいる人や、自分の性別に違和感がある人、同性が好きな人などにぜひ読んでほしい。

 

中山可穂は孤高の全身恋愛小説家と言われるくらいには文章が濃密でかつスルスル読める文体で一度読み始めたらとまらない。とにかく熱量がすごいので、読めば作者の世界に飲み込まれて没頭出来ると思う。

 

さて、それに続いて、今度は最近それに伴って聞いている音楽についてだ。私はこれらを読んでいる時に歌田真紀という人物の曲を聞いていた。雰囲気で言えば椎名林檎のような女の子による女の子向きの歌詞、同性でもドキッとするような風貌、という感じで私はいま虜になっている。

 

ユニット時代の曲で少女融解のラブドール。ソロでは、ピエロ、あめだま、病室とギターという曲が好きだ。

 

路上やデモ、ミュージックビデオがYouTubeに沢山のっている。おそらく、私が東京に住んでいたら毎日通っていたかもしれない。

 

最近の私はこれらの風景の中で生きている。

 

感化されて、久しぶりに、今日は路上をやるので、楽しみたい。